「鞍馬寺と、光のポータル」──見えないものを写したくて

京都 鞍馬
M240 / Noctilux 50mm f1.0

気配とか、予感とか、湿度とか。
目に見えないものを写真に撮りたがっている自分がいる。

たとえば、木洩れ日を撮っていると、二度と同じ光にはならない「儚さ」が写らないかなぁ、なんて思う。写っているのはただの光と影かもしれないけれど。

肌に感じる風の重さ、空気の匂い、何かがそこにあるという感覚
写真はそれらが写るわけではなく、ただ、そっと包んでくれるだけなのかもしれない。
それでも、写真から感じ取れる“なにか”が、きっとあるはずだ。

そんなことを考えていたら、奥さんが教えてくれた。
「鞍馬寺って、宇宙と繋がっている場所なんだって。つまりは“ポータル”ね」

ポータルって何?とは思ったけれど、
何かがあるなら見てみたい。いや、感じてみたい。
おまけに撮れたら、もっと面白い。

京都 鞍馬
M240 / Noctilux 50mm f1.0

鞍馬山の頂にある本殿の前には、六芒星の形をした石があった。
その中心には六角形が刻まれていて、
「そこに立つと宇宙のエネルギーが降りてくる」と言われている。

だから僕はそこに立ち、空を見上げてみた。

でも、僕には光も降ってこなかったし、宇宙の音も届かなかった。
きっと、求めすぎたり、欲しがりすぎたりすると、結局は届かないんだろうなぁ。
心のどこかで「そんなこと、あるわけない」って思ってる自分もいたし。

もっと自然体でいないと、きっと、そこにあるものにも気づけないのだ。

……ま、こんなもんでしょ。

なんて思いながら帰る道すがら、ふと振り返って撮った一枚。
ノクチルックスのぐるぐるボケが、久しぶりにいい感じに出た。

そして、そのボケの渦の先は、
五角形の光の出入り口のようにも見えた。
残念ながら六角形じゃないけれど…

でも、これってまさに、ポータル!
なんて思うのは、僕だけ?

京都 鞍馬寺
M240 / Noctilux 50mm f1.0

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