光の国から

光の人
M240 / Noctilux 50mm f1.0

 宇宙人がいるとしたら是非写真を撮らせてもらいたい。だから、写真に写らないブラックホール的な闇の塊みたいなルックスは勘弁してもらって、柔らかな光の中にフワッと浮いているみたいなのが理想だ。
 今のところはいるかどうかも分からないことになっている宇宙人。けれど、いつか誰かが正式に、「最初に宇宙人の姿を撮った人」になる。羨ましい。その時には、どんなカメラやレンズが使われるんだろうか。月の写真はハッセルだったから、今度はライカかな、それともソニーかな。やはりスマホ的な何かか。そもそも動画か。
 もしも幸運にも僕にその機会が訪れるとしたら、ライカのボディにノクチルックスをつけている可能性が高い。慌てた僕は、道端で突然外国の人に話しかけられた時みたいに、とりあえず英語でハローとか言ったりする。そして、きっと絞りは開放のまま、どこにピントを置いたか分からないボケボケ写真を撮るのだ。でも、それって未知の生命体の写真らしくて案外いいと思う。あるいは宇宙人が理想的な光をまとった姿の人なら、タンバールでソフトフォーカスにリングボケってのも面白い。
 そんな楽しい妄想をしていたいから、できればそんな時が来る日までは、カメラってものが残っていますように。

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