少し暖かさが増してきた3月の朝。目を覚ますと、窓から入ってくる光が綺麗でした。
窓の光の写真といえば、Josef Sudekのクラシカルなモノクロ写真から、現代のデジタル写真まで、魅力的な作品がたくさんあります。自分ではまだ、そういう写真を撮れたことはありません。でも肉眼で見る中では、「これは綺麗だな」と思う光には何度も出会っています。
この朝の光も、まさにそんな光でした。
そして珍しく、写真にしてみようと思いました。
ただ眩しいだけの光ではなく、葉や茎の輪郭がはっきり見える気がしたからです。
言葉にすると少し矛盾しているのですが、眩しい光の中なのに、どこか黒が締まって見えるような感覚がありました。
そこでズマールをつけたカメラで、窓の方へ向けてシャッターを切りました。

ズマールは、光の入り方を間違えるとすぐに画面全体が白くかぶり、眠い写真になりがちなレンズです。
逆光気味の状況では、なおさらそうなります。
だからこの写真も、半分は「どう白くなるのか確かめてみよう」という気持ちで撮ったものでした。
ところが大きなモニターで見てみると、思ったよりも葉の輪郭がしっかり残っていました。
白い光の中に、細い線のようなものが浮かび上がっている感じです。
むしろその描写が綺麗だと思いました。
考えてみると、ズマールを使い始めた頃は、開放か、あるいはF5.6やF8まで絞るか、そんな極端な試し方ばかりしていました。
でも最近は、開放からほんの少しだけ絞る、という使い方をすることが増えています。
この写真も、おそらくF4前後だったと思います。
その位置だと、光の柔らかさは残しながら、輪郭だけが戻ってくる。
そんな印象があります。
以前なら同じような光で撮ると、ただ白っぽく眠い写真になっていたはずです。
何が変わったのか、自分でもはっきりとは分かりません。
光の角度なのか、絞りの位置なのか、あるいはズマールを持ち歩く時間が増えて、光の見方が少し変わったのかもしれません。
少なくとも、この朝の光は「ズマールには難しい光」ではありませんでした。
むしろ、このレンズが面白い表情を見せてくれる光だったように思います。
※ズマールで撮ったバラの現像については、こちらの記事にも書いています。
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