30年ほど前に知り合い、いくつかお仕事をご一緒した古い友人と、気が遠くなるくらい久しぶりに再会した。その女性とは、僕の奥さんも友人だったので、今日は3人でしばしの再会を楽しんだ。昔話は芋づる式に記憶を呼び覚まし、いつまでも続きそうに思えた。けれどもいつしか話題は互いの最近の暮らし振りに移ってゆき、その頃には不思議と時間の空白も懐かしさも消えていった。もう以前のその人と話しているような感覚になっていた。思えば再会した場所は、その人が集めたヴィンテージな品物が多く並ぶショップの中。何十年も、あるいは物によっては100年以上も前に造られた家具が置かれているその空間では、僕ら3人の時間的空白なんて、騒ぐほどのことでもなかったのかもしれない。もっとも今時のカフェやレストランで再会していたら、あるいはこんなに自然に打ち解けることはなかったかもしれない。懐かしい友人と再会するには最高の場所だった。
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