先日、みうらのりこさんの個展へ行ってきた。
彼女は高校の同級生。とは言ってもこの何十年の間まったく交流していなかった。
でも、それぞれに写真を始め、同じ場所で個展を開くことになった。
みうらさんの方が半年も早く、個展を成功させ、今ではもう先輩という感じだけど。
久しぶりに会って話をすると昔と全く変わらない感覚で気軽に楽しく話せるのがまず嬉しかった。
一方以前と違うのは、話題が写真のことばかりだということだ。
写真の話ばかりをしていて嫌がられない同級生というのは、考えてみれば貴重で、なんだかとても嬉しい再会だった。
さて個展を鑑賞させてもらった際の感想を。
友人ということ抜きに、素晴らしい写真たちだった。
個展は1月19日まで新宿エプサイトにて。もっと早く載せたかったのだけど、まだ少しだけ期間が残っているので、新宿に行かれる方は是非!
ひょっとしたら第一印象では、え、何でここを撮るの?と感じる人もいるかもしれない。
上海やニューヨークで撮られた写真だが、必ずしも風光明媚な風景を選んで撮られてはいない。そこにいるのは人、人、人。それもモデルのようではなく、僕らと同じような人々。
でも、しばらく写真の前にいると、だんだんその一人一人が不思議な存在感を持って浮き上がって来た。
みうらさんは、「街を歩いていて違和感を感じることが多い」と言っていた。ビルの反射などで太陽の向きとは関係ない方向にできる影。自分の周りの人が皆エキストラなのではないかという感覚。みうらさんが感じる日々の違和感が写真に写り込んでいると気付いた時、被写体の人々が存在感と違和感を持って浮き上がる。
お勧めは個展スペースの真ん中にある椅子に座ってゆったりと写真たちに囲まれながら見回すこと。僕もみうらさんの写真の中に混ざって被写体の一部になってみたくなった。
あなたもどこかの時間を超えたあたりから、突然この写真たちが放つ魅力に気づくことだろう。僕はその面白さに気付いてしまい、気づけば1時間近くそこに座っていたくらいだ。
写真のサイズ、照明、配置、すべてが良いバラスで心地よい空間だった。
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