写真家を目当てに個展に行く事はよくあるけど、被写体を目的に開かれる写真展というのはあまり見たことがない。
それだけでもデヴィッド・ボウイの凄さがわかる。
ボウイについては自分が高校生くらいだったころに売れたレッツダンスの頃しかリアルタイムでは聴いていない。若い頃の僕には若い頃のボウイのルックスはぶっ飛びすぎていてカッコよさが分からなかった。今思えばそんな自分が残念だけど、若い頃の僕はきっと今よりずっと保守的だったんだと思う。
ボウイが年を重ねてそのルックスが渋くなっていく頃、僕も年を重ねいろいろなものを受け入れられる柔軟さが身についていき、気付くと彼のことを素直にとてもカッコ良い!と感じるようになった。
そんな感性が遅咲きな僕のような人間にとって、彼の瞬間瞬間を捉えて残してくれている写真の存在はありがたい。何をいまさらと彼は天国で笑うかもしれないけど、本当にカッコ良い人だ。
そんなわけで「Bowie:Faces展 at 代官山 蔦屋書店」を見に行ってきた。
CDジャケットで知っているデヴィッド・ボウイのポートレイトがオリジナルプリントで見られる事はありがたい。写真によっては思ったより粒子感が強かったり、逆に滑らかだったり、写真家の表現も垣間見られる。購入しようとしたら高価な写真も多かったが、それだからこそ写真展で見られて良かった。高価すぎて自分には関係ないと思うより、行って見てみることで、その価格の理由に触れて何かを感じる方を僕は選びたい。
個人的には鋤田正義さんの写真が以前から大好きなので、鋤田さんのオリジナルのボウイのプリントが見られただけで満足だった。
寺田倉庫で開催されている”David Bowie is”の巡回展も行って見たくなる写真展だった。
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