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雨の日はだいたいSummitarかNoctiluxだ。なぜなら、その二つのレンズは何があっても手放さないだろうと思っているから。どなたかに譲る可能性があるレンズは、より慎重に扱う必要があり、雨の日に使うのはしんどい。その点、一生自分のためだけに使うと決めてしまえば、少々思い切った使い方もできると言うもの。以前、雨のエディンバラでNoctiluxを使ったあたりから、そんな感覚になった。
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以前にも書いたかもしれないが、僕のSummitarはebayで初めて購入したレンズだ。その後、ebayで買ったことはないので唯一とも言える。試すことができないネットオークションで中古レンズを買うのはリスクがあるのだけど、価格が2万円程度だったことや、出品者の方が以前ライカの職人さんだったとの記述があったこともあり、当時Summitarが気になっていた僕は思い切って購入したのだ。購入直後こそ、その描写の良さに気づかなかったが、時が経つにつれ僕の中での優先順位が上がっていった。かなり良い状態だった沈胴ズミクロンとどちらかを手放そうと決めた時も僕の手元に生き残ったのだから、たいしたものだと思う。
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僕がSummitarに興味を持ったきっかけは、以前CAMERA magazineに載っていたセイケトミオさんがSummitarで撮られた写真だった。(雑誌の切り抜きは残っているのですが、表紙を捨ててしまっているので何年何月号か分かりませんでした。すみません!)一枚一枚にストーリが感じられるモノクロの写真たちは、NoctiluxやSummiluxなどの超高価なレンズ達にも負けないくらいの魅力を持っているように見えた。レンズの価格差で言ったら20分の一、あるいはもっと離れているのに!
それ以来、いつかあんな風にレンズの魅力を引き出してみたい!とずっと思っている。道は遠いけれど。
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