コーヒーカップ / SIGMA DP3 Merrill

白いコーヒーカップ
SIGMA DP3 Merrill

白磁のコーヒーカップが、どことなく寂しい。

磁器は陶器に比べると熱しやすくて冷めやすいそうだ。だから熱い飲み物を入れると白磁の器そのものもすぐに熱くなって持てない。白磁のカップに取手がついているものが多い理由の一つだそうだ。逆に陶器はゆっくりと温まり、冷めにくい。なんだか人の性格の話のようで面白い。

写真のコーヒーカップは僕がコーヒーを飲み終わった後の姿。熱い中身がなくなれば、すぐに冷めていった。白磁を人に置き換えたら、失われた中身はなんだろう。心、愛情、思い出…。

さて、そんな想像をしたくなるのもDP3 Merrillの写りのせいだ。このカメラはどことなく寂しそうな、悲しげな被写体を写すのに向いている気がする。そしてモノクロームで撮った時、その威力は増すように感じる。

一見ツルツルに見える白磁のコーヒーカップの表面の小さな凸凹を、肉眼ではほとんど気づかなかったはずの小さな傷を、foveonは写してしまうのかもしれない。そして、そこに写ったものはそこにあるだけで、何か痛みのようなものを伝えてくることがある。

だからだろうか、このカメラでポートレイトを撮ると上手くいかない。

SIGMA デジタルカメラ DP3Merrill 4,600万画素 FoveonX3ダイレクトイメージセンサー(APS-C)搭載 929558
4,600万画素FoveonX3ダイレクトイメージセンサーを搭載した高画質コンパクトデジタルカメラ。圧倒的な解像感と豊かな階調表現による自然で立体感のある描写を実現。 高性能50mmF2.8レンズ(35mm版カメラ換算75mm相当の画角)を搭載、解放から高性能でシャープな描写性能を発揮し、被写体の情報を画面の隅々まで余...

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