最近、写真集が気になっています。もちろんプリントが一番好きだけど、銀塩にせよ、デジタルのインクジョットのものにせよ、欲しい写真を全部買っていたら、キリがありません。お金も飾る場所も全然足りないのです。
だから写真集もいいなと思うようになりました。1枚で見るのも良いけど、何枚かの繋がりで表現されるものを感じ取るのも心地よいですし。
2月の初め、野村佐紀子さんの写真を見るために、吉祥寺の写真集を売るお店を街を訪れた時のことです。
僕たちは吉祥寺には詳しくないので、スマホのマップに導かれるまま、住宅街を歩いていました。
途中細い道をゆくと、前をご夫人が歩いています。体を少し傾げて歩かれている姿に、少々辛そうで気の毒だなと感じました。しかし、その何秒か後、その方が午後の光が当たる場所に入った途端、服のピンク色が僕の目に飛び込んできたのです。その瞬間、なぜだか「ああ、この方は人生を楽しんでいるのかもしれない。」と感じました。不思議なもので、その方の歩調まで力強く、楽しそうに見えてきます。僕は勝手に同情のような気持ちを抱いたことを心でお詫びしました。そして、その方が体を揺らしながらも元気に進まれる姿に、とてもとても明るい気持ちになりました。
近頃では、高齢の両親も僕自身も、年齢を重ねるうちに、色々と痛いところが増えました。そんなこともあって、なんとなくその方が体を傾げて歩く姿に我が身を重ねていたのかもしれません。そして、結果として元気までいただいたわけです。

野村さんの写真は個人的にはプリントの方がより好みでした。
だいぶ暗い写真でしたが、プリントだと微かな光も感じられて、その暗さがちょうど良く思えたのです。見えない何か、写らない何かを想像させるのも写真の面白さなのでしょう。野村さんの写真はヌードが多いのですが、僕は風景の写真に好きなものが多く、機会があれば風景寄りの写真集をゆっくり眺めてみたいと思いながらお店を出ました。

帰り道に井の頭公園に立ち寄り、池に映った空を眺めながら、写真を撮ったり、ちょこまかと動いては写真を撮る奥さんを眺めたりしていました。奥さんは雲や空の写真が好きなので、多分こうなるとは思っていました。笑

写真集と写真を見たいというきっかけがあったおかげで、
少し遠い街まで行って、
知らないご婦人の後ろ姿に元気をもらい、
好きな写真集がたくさんあるお店でゆっくり写真を眺めて、
広い空を感じられる公園で奥さん眺めて、
好きなことがあって良かった、とちょっと満たされちゃってる帰り道でした。

ズマール(Summar) 50mm f2.0の他の写真を見る
©️All rights reserved.


コメント