NOKTON Vintage Line 75mm F1.5 Asphericalをお借りしました。
75mmでf1.5なら、大きなボケが期待できます。ヴィンテージとAspherical…このお互い矛盾するような言葉のマッチングに?が浮かびましたが、気にしません。以前から気になっていて使ってみたかったレンズなのですから。
さてヴィンテージとAsphericalという言葉の組み合わせについては、フォクトレンダーさんの説明を読めばすぐに分かることでした。
“クラシックレンズのスタイリングを彷彿させる外装に、現代的な撮影機材にマッチする光学性能のレンズを組み合わせた中望遠レンズ”。なるほどヴィンテージは外観を指した言葉だったのですね。Noktonというと、僕はNokton classicしか使ったことがなかったので、ちょっと勘違いしていました。名前にclassicが付いていないこのレンズは懐かしい写りを狙ったものではそもそもありません。NOKTONという名前自体は、フォクトレンダーのレンズの中で開放F値がF1.5以上の明るいレンズに付けるものだそうで、そもそも描写傾向とは無関係なのです。このレンズの場合、写りに関しては今風に作られているのです。Asphericalですから。
Aspherical(非球面)
「非球面レンズ」はレンズのカーブを浅く設計してあるので、球面レンズと比べて周辺部の歪みが少ない。おまけに球面レンズよりも薄くて軽い。さらに「両面非球面レンズ」となると、非球面レンズよりもさらに歪みが少なく、より薄く仕上げることができるそうです。メガネ屋さんに聞いたんですけど。
NOKTON Vintage Line 75mm F1.5 Asphericalでは、まさにこの両面非球面レンズが使われています。このレンズが発売された2019年はすでにデジタルカメラの高画素化が加速していましたから、そこへの対応も十分考えられた設計だったのでしょう。
さて、そんな名前の由来について知ったのは、レンズテストを始めてしばらく経ってからでした。ですから、使い始めた頃は、ヴィンテージという言葉に引っ張られすぎて、ん?写りがモダン過ぎるのでは?と思いながらのスタートでした。太陽に向けてもフレアはほとんど出なくて逆光に強すぎ!だし、開放で撮っていてもすごくシャープだし!という具合に。でも、それらはヴィンテージな写りになるだろうと勘違いしているが故のギャップだったようです。今になって落ち着いて写真を見てみてると、第一印象で感じたほどシャープ過ぎることはないし、背景がうるさければ、それなりにボケもごちゃごちゃしています。ああ、良かった、これなら好きな写真が撮れそう!と不思議な感想を抱きつつ、いくつか写真も載せてみたいと思います。

少し絞ってf2.8くらい。ガラスが光ってしまうこともなく、映り込みの背景も認識できるくらいに程よく写っています。

午後の光が強かったので、こちらはさらに絞ってf4.0くらい。

絞り開放。後方の光がどんな風にボケるのかなぁと思って撮ったものですが、まだ使い方がよく分かっていない感じですね。

絞り開放。古民家風カフェの壁。下方のだんだん暗くなって影が濃くなる様子がよく写っているなと驚きました。グラデーションというのでしょうか、すごく繊細な描写。これは好きになれる予感。
以上、まだ多くは撮っていませんが、NOKTON Vintage Line 75mm F1.5 Asphericalの第一印象をお伝えしました。第一印象としては、僕の勘違いによるギャップもあって、想像以上にモダンな写り。ただ、使っているうちに、自分好みの部分が見つかってきました。もう少し撮り続けてみたいです。
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