ノクティルックスを使うまでは、これほどまでにボケが魅力的な50mmはないと思っていた。
ノクティルックスを経験した今でも、単純に優劣の順位を付けられない。ノクティルックスにしかできないボケ表現はあるが、そこで戦う必要はないのだ。ボケの中に浮き立つようなピント面のキレキレのシャープさなど、このズミルックスの良さを活かした撮り方をすれば良いし、その場合はノクティルックスにも引けを取らないだろう。あとは使い手がその能力を引き出せるかにかかっている。
さて現在では最短距離45cmの最新型ズミルックス50mmが販売されているので、僕が使用しているものは1つ前の型ということになる。ブログを始めた頃には最新の型だったため、ブログ内では現行品として書かれている部分もあるが、そこはご了承いただきたい。
さて、このレンズ、その小ささや軽さからは信じられないような美しい画を描いてくれる。特に開放f1.4のボケの美しさとピント合焦面の浮き上がるような存在感は、他のレンズとは一線を画すものがある。f1.4だけで比べたら、ノクティルックスにだって負けちゃいない。
また、美しい画を描くだけではなく、実は扱いやすいレンズでもある。まずサイズと軽さのおかげですこぶるフットワークが良い。その上、ボケとシャープさを持ち合わせているからフワフワしているだけの失敗写真が少ない。人に頼まれて撮影する時など、失敗が許されない場面にはこのレンズを選ぶことが多い。
これと言って欠点のないレンズだけれど、もしも欠点があるとすれば、時々はシャープ過ぎると感じることがあるくらいか。でもそれは性能の高さゆえなので仕方のないこと。むしろ軽さという絶対的な優位性から、年齢を増すにつれ、ノクティルックスよりも持ち出す機会が増えてきている。