ハッセルでポートレイト / XCD 4/45P

ハッセルでポートレイト
hasselblad 907X & CFV II 50C + XCD 4/45P

 前回に引き続き、ハッセルブラッド907X & CFV II 50Cで試し撮りをさせていただいた時のお話。今回はレンズのお話です。

 試させていただいたレンズはハッセルブラッドのXCD 4/45Pです。
手にしてすぐに感じたのはそのコンパクトさです。薄型で軽量。このカメラにこのレンズを付けて使っている限りは、中判デジタルを使っているという意識はあまりないかもしれません。それくらい軽い。他に試したいレンズがたくさんあっても価格のこととか、重さのこととか考えて、このままでいいやと思ってしまいそう。携帯性がよく、長時間の撮影や旅行時の持ち運びも苦にならないでしょう。もしも大きなボケを必要としないならば尚のことです。

 実際の使用感も、焦点距離45mm(35mm換算で35mm相当)という標準的な画角のお陰で初めてでも扱いやすいし、f4の開放は想像していたよりも程よくボケてくれて、心地よいものでした。少し力強い印象で撮りたい男性ポートレイトなんかにとても合うのでは。もちろん本当にこのシステムで全部撮ろうと考えたら、柔らかい印象を出したい時のために、f値の小さいレンズが欲しくなるとは思いますが。

 中判とフルサイズでのボケ具合の違いについてはまだ理解が足りないのですが、このレンズでこれくらいのボケを得られるのなら、55mm f2.5のレンズはかなり期待できそうです。ただし、価格がだいぶ違うので…。ならば手持ちのライカレンズをアダプタ経由で使う方が現実的かもしれません。でもそれなら、システムを無理にハッセルにしなくても…。まあ、そんなことを考えるのも楽しい時間です。

 話をXCD 4/45Pに戻します。唯一気になる点があるとすれば、オートフォーカス時のスピードと精度でしょうか。もしも僕がこのシステムとレンズを使えるとしたら、距離を固定にしておいて少し絞ってストリートスナップということになると思うので、その場合は結局マニュアルフォーカスだから、オートフォーカス時のことはあまり問題にはなりません。ただ、写真が今とは変わってくるでしょうから、それをどう考えるかの方が大きそうです。

 ところで、今回被写体になってくださった方は、今回ハッセルを使わせてくださった方です。実はこの方、幼少時に土門拳さんの写真の被写体になったことがある方でして!実は僕の中では、ハッセルを使わせていただいたことも大事件なのですが、それ以上に、歴史上の人物と思っていた土門拳さんが見つめた被写体を自分もファインダー越しに眺めてしまった!ということが何よりの大事件だったのでした。ありがたい、貴重な体験でした。ありがとうございました。

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