期限切れフィルムの続き / CineStill 800T

夜明け前の秋桜
M240 / CineStill 800 / Noctilux 50mm f1.0

 このところ眠りが浅い。たびたび夜中に目を覚ます。
 目が覚めた時、カーテンには街灯の光が薄らと差しているだけで、朝方なのか、寝て間もない夜中なのか、よく分からなかった。寝たまま手探りでスマホをつかみ、目を細めて見れば朝の5時前。朝寄りの夜?微妙な時間だ。このまま眠れば二度寝は気持ち良いけど、寝過ごすよなぁ。その時、カメラに残るフィルムの存在を思い出した。
 感度800のCineStill800T。暗いうちに目が覚めたら、近所に撮りにこうと考えて眠ったことも思い出す。昔から、この時間に起きようと考えて眠ると、そのためにかけた目覚ましが鳴る少し前に不思議と目が覚める。潜在意識の本に「何時に起きると潜在意識に告げておけば、ちゃんとその時間に目が覚める」と書かれていたなぁ。そんなことはどうでも良いのだけれど、考えているうちに頭が回りだし、弱い光の中で感度800のフィルムとf1.0のノクティルックスで撮るコスモスのイメージが浮かんで、うずうずしてきた。撮りに行こう。こういう時は絶対に撮りに行った方が良いと経験則が言っている。
 土手沿いまで来ると、予想通り、コスモスが花盛りを迎えていた。太陽は見えないけれど、空は明るい。早速、太陽光が直接当たる前に撮り始めた。

 明け方は世界が何倍増しかで美しく見えます。風景も人もいつもと別の顔を見せてくれます。犬と散歩をしている人や、ランニングをしている人たちとすれ違う時にも、どこか優しい空気が流れていました。自然に挨拶を交わすことだってあるのです。朝は人を穏やかにするのかもしれません。つまり僕自身の気分もいつもより素直で穏やかなのです。撮る写真にだってきっと何か違いが生まれるはず…。

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