
横浜市開港記念会館。
1917年に建てられたものの1923年の関東大震災で内部は焼失し、その後、創建時と同じ設計スタッフの方の手により、構造補強も施しつつ1927年に復活したそうだ。
東京も横浜も関東大震災や空襲の被害で多くの建築物が失われたけれど、横浜は東京よりも昔の建物が残っている印象がある。(調べたわけではないので、あくまで印象だけれど。)そのおかげか横浜を歩いていると、自然とノスタルジックな気分になれる。
写真の階段は、木造なのに曲線が美しい。どんな計算と技術の元にこのカーブは作られたのだろう。またしてもフィボナッチ的な曲線なのかなぁ。知らなくて残念。建築のことに詳しければ、こういう場所がもっと楽しく見学できるのだろうなぁ。
さて、この日のレンズはズマール(Summar)。正直ほとんど使っていなくて、よく分かっていない。ただこのところ、自分の中でオールドレンズブームが再来していて、ちょっと持ち出す気になった。油断するとコントラストが低いだけの写真になりそうなので、いつもよりも光の向きや位置に注意しつつ、開いたり絞ったりを楽しんだ。ズミルックスを使った後だったら、このレンズの写りを頼りなく感じたかもしれないけれど、このところタンバールとズミタールばかり使っていたので、違和感なく使えた。そしてやはりオールドレンズの写りはカリカリしていなくて心地よい。
100歳近い年齢の階段を90歳近い年齢のレンズで撮りながら、時間の不思議を思った。建物もレンズもできた当時の若い頃に撮ったらどんな写りだったんだろう。いや、むしろ今から100年後にこの場所をこのレンズで撮ったらどんな風に写るのだろう。そんなことを考えるのが楽しい。写真はつくづく時間を自由に行き来できる行為だ。
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